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2008年10月18日 (土)

映画:子連れ狼&用心棒

タイトルは嘘。

DVDの、海外ギャング映画 2作品の感想。

『ロード・トゥ・パーディション ROAD TO PERDITION 特別編』
 2001年アメリカ映画、サム・メンデス監督

主人公のマイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)はアイルランド系ファミリーのボス、ジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)の腹心の部下。だがあるときボスのドラ息子に裏切られ、妻と次男を殺されたことから長男を連れて復讐と逃亡の過酷な旅路に出る・・・。

トム・ハンクスやポール・ニューマンといった名優を登用した、ややゴージャスな映画で、家族愛を謳った叙事詩的作品であり、砂を噛むようなハードボイルドとは異なる。

アイルランド系ファミリーの暮らしを丹念に描写しているのが興味深い。マイケル・サリヴァンを追う、狂気じみた殺し屋マグワイア(ジュード・ロウ)など脇役も異彩を放つ。未公開シーンが映像特典として収録されているが、上映時間圧縮のためとはいえ、切るには惜しいものばかりだと思う。ストーリーの流れが若干分かりにくくなってます。

『ミラーズ・クロッシング MILLER'S CROSSING スペシャル・エディション』
 1990年アメリカ映画、製作・ジョエル&イーサン・コーエン

アイルランド系ギャングの大ボス・レオが君臨する東部の街。ギャンブラーのトムは負けが込んで借金が嵩むが、ボスの援助を断わる。レオと、街で賭博を任されたイタリア系のファミリーの間に、レオの愛人の不始末な弟をめぐって緊張が高まるなか、ギャンブラーのトムはボスの愛人に手を出したことで庇護を失い、イタリア系のボス・キャスパーの元に走る・・・。

ダシール・ハメットの「ガラスの鍵」と「血の収穫」から大いにインスパイアを受けた映画。オフビートによって、砂を噛むようなハードボイルド映画と差別化している。

ハメットファンを喜ばせる様々なシーンを盛り込んである一方で、重箱の隅的かもしれないがプロットにご都合主義的な、ゆるい部分が残っており、それが主人公の切れ味を損ねてしまうのが玉に瑕。大ボスのレオ(アルバート・フィニー)は正統派のタフ・ガイだが脇役であり、胴元キャスパーの用心棒、デインはクール・ガイだが主人公にハメられ続ける役どころで、いまひとつ主人公を喰いきれていないのも惜しい。

映像特典の、コーエン兄弟のコメディ作品『赤ちゃん泥棒 Raising Arizona』(1987年映画)のトレイラーには思わず笑わされました。露骨にマッドマックス2をパクったキャラクター(The Lone Biker Of The Apocalypse)が出演しているのがなんとも微笑ましい(しかしパクリが多いな、コーエン兄弟)。

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Road To Perdition Trailer Original
http://jp.youtube.com/watch?v=IjbSYkY5hVA

Miller's Crossing (1990) - Original Theatrical Trailer
http://jp.youtube.com/watch?v=hkJIcFMN_pc

Raising Arizona (1987) - Original Theatrical Trailer
http://jp.youtube.com/watch?v=2AIfVoGUs6c

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